2015年10月27日火曜日

プログレッシブ・システム:フロリアン・メイヤー

The Progressive System(プログレッシブ・システム 変革への手順)

テニスのテクニックの習得法として、ドイツ人のテニスコーチ、フロリアン・メイヤーが採用している方法です。今回紹介するものは、両手打ちバックハンドのウェブプログラム(Two Handed Backhand Blueprint 有償)に含まれている部分です。有償プログラムですので、要点のみ紹介します。
また、テクニックの習得の仕方を解説している部分なので、バックハンド等のテクニック面の紹介は別の機会となります。


01.変革手順の紹介

両手打ちバックハンドのテクニックを向上させるためには、プログレッシブ・システムを使うべきです。このシステムは、テクニックを変革するのに重要な鍵ですが、不運なことにテニスのレッスンではほとんど使われていません。

テクニックを変革するためには、動作をゆっくりにして、上達させたいテクニックの要素を分離し、その部分に集中するようにしなければなりません。その後、難易度を段階的に引き上げていきます。

一例ですが、標準的なレッスンでは、コーチがラケットをもっと下におろすように話し、ラリーをあなたと始めます。これには段階的な過程が含まれていません。このようなやり方では、テクニックの向上は望めません。

動作をゆっくりにし、素振りから始めましょう。その後、段階的に難易度を上げていきます。それでは最初のステップです。


02.素振り


ラケットなしで素振り

ラケットを持って素振り

03.ボールを落として打つ(ドロップ・ヒット)

・ボールを打つのは、サービスラインとベースラインの中間から始めます。ボールを飛ばす距離が短く、ボールがコートに入ったかどうかという結果を気にする割合が少なくなるからです。この段階ではボールを打つメカニズムに焦点を当てて欲しいのです。

・ボールを横に投げたり、高く投げすぎないようにする必要があります。コンタクトポイントにあわせて、体の少し前に投げるように調整が必要です。

・ベースラインまで下がって打ったり、離れたところにボールを投げて、動いてから打ったりすることで、難易度をあげることができます。

・ダウン・ザ・ラインのダブルス・アレーの中にボールを打つ練習もあります。ただし結果にとらわれないようにして、ボールを打つメカニズムに集中してください。最終的にダブルス・アレーにスピードに乗ったボールを打つことができるようになっていれば、正しいテクニックが習得されたということです。

                
ドロップ・ヒット

ドロップ・ヒット ダブルス・アレー


04.手出し(ハンド・フィーディング)

・ボールがスピードを伴って向かってきますので、難易度は思っているより高くなります。

・手出しの代わりに、ツイストマシーンという小型のボールマシーンを使うこともお勧めです。

・最初は動かなくてもよい所にボールを出すことから始めます。段階的に難易度を上げていくことで、テクニックに集中することが大切です。ほとんどの人はこのようにはしません。

・次に少し離れたところにボールをだしてもらい、動いて打ちます。

・バックハンドとフォアハンドを交互に打ったり、高いボール、低いボール、前後の動きも入れて、難易度を上げていくことができます。

手出し 動かない位置

手出し 少し動いて


05.ラケ出し(バスケット・フィーディング)

・練習パートナーと交代しながら行ったり、コーチにボールを出してもらったり、あるいはボールマシーンを使用して行います。

・ボールを落として打つ、手出しのボールを打つ段階ではうまくいっても、ラケ出しになるとテクニックが崩れることが往々にしてあります。ボールはより遠いところからより早く飛んでくるため、多くのことの調整が必要となります。

・ボールが2回バウンドしてから打つようにすることも多々あります。ゆっくりとしたスピードで打つことができるからです。ボールを打つメカニズムに集中する必要があります。

・2回バウンドが、うまく打てるようになったら、1回のボウンド後に打つ練習に移行します。最初は、ほとんど動かなくてもいい位置にボールを出すようにします。ラケ出しでは、足を動かして自分の位置を調整する必要が生じます。

・次にコーナーに向かって動くように難易度を上げます。

・バックハンドとフォアハンドを交互に打つようにラケ出しします。

・最後はランダムにラケ出しして、難易度を上げていきます。

ラケ出し バウンド2回

ラケ出し バウンド1回

ラケ出し ワイド

ラケ出し フォア、バック交互

ラケ出し ランダム


06.ラリー

・1球1球のショットに集中することが大切です。ボールがどこに飛んでいくかよりも、フィニッシュに集中するようにしましょう。

・最初は、ダウン・ザ・ラインにバックハンドだけを打ちます。グリップチェンジを気にかけなくて良いからです。パートナーはフォアハンドで打ち返します。この段階でもテクニック面に集中することが重要です。それには、ゆったりとしたスピードでラリーをします。それでもかなり動く必要がありますので、難易度はとても高いです。正しいテクニックではとても打てないようなボールがきた時には、打たずに見逃してしまってかまいません。

・次にコートのセンターでラリーします。フォアハンドで打つか、バックハンドで打つかは、ランダムになります。バックハンドに来たときには、テクニックに集中する必要があります。またバックハンドの練習に取り組んでいるのですから、可能な限りバックハンドで打つように意識します。ゆったりとしたスピードで行うことを忘れないでください。

・うまくいかないようであれば、一つ前の段階に戻ることも重要です。

・次は、クロスコートにフォアハンドを1球、ダウン・ザ・ラインにバックハンドを2球を、ワイドに動いて打つラリーを行います。バックハンドの練習をしていることを忘れないでください。バックハンドはしっかりとフィニッシュを行い、ほんの少しの時間でよいので静止するようにして下さい。フォアハンドについてはあまり気にかけないようにする必要があります。

ラリー バックハンド・ダウン・ザ・ライン

ラリー ミドル・オブ・ザ・コート ランダム

ラリー バックハンド2、フォアハンド1 ワイド


07.ポイントプレー&マッチプレー

・ラリーの段階でもバックハンドのテクニックが崩れなくなったら、ポイントを争う段階に移行します。適切な心的態度が重要になります。

・第一番目は、ポイントの結果を気にしないようにすることです。今はバックハンドの練習をしています。ポイントよりも正しいテクニックでバックハンドを打つことを心がけてください。

・もうひとつは、足を動かすことを忘れがちだということです。ボールを打てる位置に動いて、ユニットターンを行うことを心がけてください。

・最初はサーブなしで、クロスコートにボールを出す形で行います。

・次にサーブも含めて行ってください。ポイントは数えずに、10分とかに時間を切って行います。

・バックハンドをしっかりと打てないようであれば、一つ前の段階に戻ってください。

・次にポイントを数えて行います。

・最後は、練習試合を行います。練習試合の中でも、バックハンドがしっかりと打てるようになったら、正式な試合で試してください。

・段階的に難易度をあげていくことで、新しいテクニック、正しいテクニックを身につけることができるようになるのです。


以上

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