2015年10月31日土曜日

両手打ちバックハンドの青写真:基本(その1):フロリアン・メイヤー

Two-Handed Backhand Blueprint:Florian Meier

有償のオンライン・プログラムです。構成は、以下のようになっています。

1.プログレッシブ・システム(The Progressive System 紹介済み)
2.基本(Fundamentals)
3.ドリル(Drills)
4.よくある問題(Common Problems)
5.スタンス(Stances)
6.ボーナス(Bonuses)

なお、フロリアン・メイヤーはプレーヤーとしては、片手打ちバックハンドです。

今回は、2.の「基本」の最初の章の要点を紹介します。(少しずつ、いきます。)


基本-01.両手打ちバックハンドのグリップ

・グリップは、どのストロークにおいても、とても重要です。

・両手打ちバックハンドの推奨グリップには、それほど選択肢はありません。

・両手打ちバックハンドのグリップを矯正するのは、他のストロークと比べると比較的簡単です。

・ほんの少しのグリップの変更で、著しい効果をあげることが多いです。

・トップハンド(右利きの人の場合の左手)の人差し指の関節は、3の面にしてください。イースタン・フォアハンド・グリップです。2.5も3.5もお勧めできません。
 (3、2.5、3.5の面がどこかというのは、一つ前の投稿、テニスのグリップを参照願います。)

・両手打ちバックハンドが得意な、ほとんどのプレーヤーは、3です。

・ナダルのトップハンドは、3.5ですが、ショットの深さのコントロールに苦しんでいます。

・トップハンドが2.5では、コンタクトで、ラケットフェースが上を向いてしまいます。

・ボトムハンド(右利きの場合の右手)の人差し指の関節は、2.0(コンチネンタル・グリップ)か、1.5です。

・ボトムハンドが、1だと、腕を伸ばすのが難しくなります。ショットの深さが出しにくくなるということです。

・ボトムハンドが、3でも、多くの問題があります。これは利き腕でないほうの手が、主体になります。通常はお勧めできません。

・指の付け根と、ラケットのグリップに、線を引いて、チェックすることを推奨します。



以上

2015年10月30日金曜日

テニスのグリップ:フロリアン・メイヤー

テニスのグリップ(Tennis Grips):フロリアン・メイヤー(Florian Meier)

ユーチューブにフリーで公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=eRCWkQfPGvg


このビデオでは、基本となるいくつかのテニスのグリップについて、説明したいと思います。

グリップは、ほとんどの人が思っている以上に重要なものです。
なぜならラケットフェースの角度に影響を与えるからです。ラケットフェースが、どのくらい上を向くか、どのくらい下を向くかに影響を与え、ゆえに理想的なスイングの形にも影響を与えます。

さまざまなグリップを説明するのに、プレーヤーやコーチはしばしば専門用語を使用します。コンチネンタル・グリップ、セミウェスタン・グリップ、ウェスタン・グリップ等です。

これらの専門用語は、人々を混乱させることが多いようです。グリップを説明するのに、よりよい方法があります。

グリップには、8つの面があります。そこに番号を振ります。一番上の面はここで、1とします。続けて2,3,4です。この4つが、今、気にかけて欲しい部分です。左利きの場合は逆周りとなります。1は同じです。続いて、2,3となります。



次に、自分の手とグリップがどのような関係になるのかを、推し量る必要があります。そのために、人差し指の関節と、手のひらの付け根に注目します。

いくつかのフォアハンド・グリップを見てみましょう。人差し指の関節を、指標として、焦点を当てます。

人差し指の関節は、最も重要な指標で、私はほとんどこの指標を使います。普通、人差し指の関節が正しければ、通常は、手のひらの付け根を気にする必要はありません。

今見てもらっている私の人差し指の関節は、3の面にあります。これは、イースタン・フォアハンド・グリップと呼ばれています。

もう少し向こう側に移動して、3.5、これは、3と4の面の間の角に、人差し指の関節があります。

さらに進むと、4の面にきます。セミ・ウェスタン・グリップと呼ばれています。


これより先に行くと。ウェスタン・グリップと呼ばれています。4.5 または 5の面であってもです。極端なグリップですので、お勧めはしません。

フォアハンド・グリップのお勧めは、3から4の間です。この範囲内であれば問題はありません。


次に、片手打ちバックハンドのグリップについて、どの範囲が適当か見ていきましょう。私のお勧めする範囲はそれほど広くはありません。

今見てもらっているのは、人差し指の関節が、1.5のところにあります。1と2の間の角の部分です。これから始める人には、このグリップを推奨しています。

ある程度の期間テニスをしているのなら、1の面にすることもいいでしょう。トップスピンのショットが打ちやすくなり、、高く弾むボールにも対処できます。



次に、両手打ちバックハンドで推奨するグリップを見ていきましょう。

見てのとおり、私の右手の人差し指の関節は、2の面にあります。ラケットグリップの右側です。

次に左手を、3の面に当てます。左手ですので逆向きに数えます。このように持ってください。左手は3の面、左回りのです。右手は2の面です。



最後に、サーブのグリップを見ましょう。

見てのとおり、私の人差し指の関節は、2の面にあります。コンチネンタル・グリップと呼ばれています。サーブには、このグリップを推奨します。


テニスを始めたばかりであれば、もう少しまわして、2.5 または 3にすることも悪くありません。最初はこの方がボールを飛ばせるでしょう。しかし、可能な限り早急に、2の面に変更する努力が必要です。


以上が、テニスのグリップの基本です。適切なグリップは、良いストロークのを打つためには必須の要素です。ですので、あなたのグリップをチェックしてみてください。


以上

2015年10月27日火曜日

プログレッシブ・システム:フロリアン・メイヤー

The Progressive System(プログレッシブ・システム 変革への手順)

テニスのテクニックの習得法として、ドイツ人のテニスコーチ、フロリアン・メイヤーが採用している方法です。今回紹介するものは、両手打ちバックハンドのウェブプログラム(Two Handed Backhand Blueprint 有償)に含まれている部分です。有償プログラムですので、要点のみ紹介します。
また、テクニックの習得の仕方を解説している部分なので、バックハンド等のテクニック面の紹介は別の機会となります。


01.変革手順の紹介

両手打ちバックハンドのテクニックを向上させるためには、プログレッシブ・システムを使うべきです。このシステムは、テクニックを変革するのに重要な鍵ですが、不運なことにテニスのレッスンではほとんど使われていません。

テクニックを変革するためには、動作をゆっくりにして、上達させたいテクニックの要素を分離し、その部分に集中するようにしなければなりません。その後、難易度を段階的に引き上げていきます。

一例ですが、標準的なレッスンでは、コーチがラケットをもっと下におろすように話し、ラリーをあなたと始めます。これには段階的な過程が含まれていません。このようなやり方では、テクニックの向上は望めません。

動作をゆっくりにし、素振りから始めましょう。その後、段階的に難易度を上げていきます。それでは最初のステップです。


02.素振り


ラケットなしで素振り

ラケットを持って素振り

03.ボールを落として打つ(ドロップ・ヒット)

・ボールを打つのは、サービスラインとベースラインの中間から始めます。ボールを飛ばす距離が短く、ボールがコートに入ったかどうかという結果を気にする割合が少なくなるからです。この段階ではボールを打つメカニズムに焦点を当てて欲しいのです。

・ボールを横に投げたり、高く投げすぎないようにする必要があります。コンタクトポイントにあわせて、体の少し前に投げるように調整が必要です。

・ベースラインまで下がって打ったり、離れたところにボールを投げて、動いてから打ったりすることで、難易度をあげることができます。

・ダウン・ザ・ラインのダブルス・アレーの中にボールを打つ練習もあります。ただし結果にとらわれないようにして、ボールを打つメカニズムに集中してください。最終的にダブルス・アレーにスピードに乗ったボールを打つことができるようになっていれば、正しいテクニックが習得されたということです。

                
ドロップ・ヒット

ドロップ・ヒット ダブルス・アレー


04.手出し(ハンド・フィーディング)

・ボールがスピードを伴って向かってきますので、難易度は思っているより高くなります。

・手出しの代わりに、ツイストマシーンという小型のボールマシーンを使うこともお勧めです。

・最初は動かなくてもよい所にボールを出すことから始めます。段階的に難易度を上げていくことで、テクニックに集中することが大切です。ほとんどの人はこのようにはしません。

・次に少し離れたところにボールをだしてもらい、動いて打ちます。

・バックハンドとフォアハンドを交互に打ったり、高いボール、低いボール、前後の動きも入れて、難易度を上げていくことができます。

手出し 動かない位置

手出し 少し動いて


05.ラケ出し(バスケット・フィーディング)

・練習パートナーと交代しながら行ったり、コーチにボールを出してもらったり、あるいはボールマシーンを使用して行います。

・ボールを落として打つ、手出しのボールを打つ段階ではうまくいっても、ラケ出しになるとテクニックが崩れることが往々にしてあります。ボールはより遠いところからより早く飛んでくるため、多くのことの調整が必要となります。

・ボールが2回バウンドしてから打つようにすることも多々あります。ゆっくりとしたスピードで打つことができるからです。ボールを打つメカニズムに集中する必要があります。

・2回バウンドが、うまく打てるようになったら、1回のボウンド後に打つ練習に移行します。最初は、ほとんど動かなくてもいい位置にボールを出すようにします。ラケ出しでは、足を動かして自分の位置を調整する必要が生じます。

・次にコーナーに向かって動くように難易度を上げます。

・バックハンドとフォアハンドを交互に打つようにラケ出しします。

・最後はランダムにラケ出しして、難易度を上げていきます。

ラケ出し バウンド2回

ラケ出し バウンド1回

ラケ出し ワイド

ラケ出し フォア、バック交互

ラケ出し ランダム


06.ラリー

・1球1球のショットに集中することが大切です。ボールがどこに飛んでいくかよりも、フィニッシュに集中するようにしましょう。

・最初は、ダウン・ザ・ラインにバックハンドだけを打ちます。グリップチェンジを気にかけなくて良いからです。パートナーはフォアハンドで打ち返します。この段階でもテクニック面に集中することが重要です。それには、ゆったりとしたスピードでラリーをします。それでもかなり動く必要がありますので、難易度はとても高いです。正しいテクニックではとても打てないようなボールがきた時には、打たずに見逃してしまってかまいません。

・次にコートのセンターでラリーします。フォアハンドで打つか、バックハンドで打つかは、ランダムになります。バックハンドに来たときには、テクニックに集中する必要があります。またバックハンドの練習に取り組んでいるのですから、可能な限りバックハンドで打つように意識します。ゆったりとしたスピードで行うことを忘れないでください。

・うまくいかないようであれば、一つ前の段階に戻ることも重要です。

・次は、クロスコートにフォアハンドを1球、ダウン・ザ・ラインにバックハンドを2球を、ワイドに動いて打つラリーを行います。バックハンドの練習をしていることを忘れないでください。バックハンドはしっかりとフィニッシュを行い、ほんの少しの時間でよいので静止するようにして下さい。フォアハンドについてはあまり気にかけないようにする必要があります。

ラリー バックハンド・ダウン・ザ・ライン

ラリー ミドル・オブ・ザ・コート ランダム

ラリー バックハンド2、フォアハンド1 ワイド


07.ポイントプレー&マッチプレー

・ラリーの段階でもバックハンドのテクニックが崩れなくなったら、ポイントを争う段階に移行します。適切な心的態度が重要になります。

・第一番目は、ポイントの結果を気にしないようにすることです。今はバックハンドの練習をしています。ポイントよりも正しいテクニックでバックハンドを打つことを心がけてください。

・もうひとつは、足を動かすことを忘れがちだということです。ボールを打てる位置に動いて、ユニットターンを行うことを心がけてください。

・最初はサーブなしで、クロスコートにボールを出す形で行います。

・次にサーブも含めて行ってください。ポイントは数えずに、10分とかに時間を切って行います。

・バックハンドをしっかりと打てないようであれば、一つ前の段階に戻ってください。

・次にポイントを数えて行います。

・最後は、練習試合を行います。練習試合の中でも、バックハンドがしっかりと打てるようになったら、正式な試合で試してください。

・段階的に難易度をあげていくことで、新しいテクニック、正しいテクニックを身につけることができるようになるのです。


以上

2015年10月25日日曜日

テニスの上達:フロリアン・メイヤー

ドイツ人のコーチ、フロリアン・メイヤー(Florian Meier)の記事です。
彼のウェブサイト:オンラインテニスインストラクション(Online Tennis Instruction)に、フリーで公開されていますので、全文翻訳で紹介します。

フロリアン・メイヤーのウェブ・サイトはこちら。
http://www.onlinetennisinstruction.com/

ユー・チューブのチャンネルはこちら。
https://www.youtube.com/channel/UCTia5ng0rbduizMCQqEepbg


テニスの上達:よりうまくなるための本当の鍵
Tennis Improvement: The Real Keys To Getting Better At Tennis!

ほとんどのテニスプレーヤーは、上達をするために何が必要かわかっていません。そのため同じレベルに留まってしまう場合が多いのです。ほとんどのプレーヤーは上達したいはずだと、私は信じていますので、この記事において、テニス上達に必要な本当の鍵についての、私の考えを共有して欲しいと思います。

テニス上達のための私の公式
良い情報+猛練習+持続=上達


良い情報

最初に必要なのは、何に取り組むべきかという情報と助言です。テニスにおいては4つの領域があります。

1.テクニック面
2.戦術面
3.肉体面
4.精神面

最初のステップは、どの領域を上達させることがあなたに必要かということを分析することです。

長年かかってわかったのは、ほとんどのリクエーショナルプレーヤーはテクニック面に大きな問題があるため、この領域に取り組むことが最善です。

あなたがテニスに投資しようとする時間とエネルギーを、もっとも効果の高い領域からはじめるのは当然のことです。しかしながら、あなたがどの領域に取り組みたいか、どういう結果があなたにとって喜ばしいことかというのも同様に大切です。

問題は、通常この分析から始まります。プレーヤーのほんの一握りの人しか、何に取り組むべきか分かりません。また、テニスクラブのほとんどのテニスコーチは、分析するための教育と知識がありません。

プレーヤーが上達しない主な理由は、上達するために何をしなければいけないかを、正確に教えてくれる人がいないということです。

人間の脳は変化に抵抗するようになっています。それがテニスの上達を困難なものにしています。何をしなければいけないかと、段階ごとの正確な助言が必要なのです。でなければ、上達はしません。


猛練習、または適切な挑戦

テニス上達のための2番目の要素は、猛練習です。人生のほかの場面と同じように、真剣に取り組んでこそ、上達があります。

猛練習というと怖気づいてしまうかも知れません。真剣に、賢く、取り組むべきです。適切な挑戦という考え方があります。

上達するためには、練習において、適切なやり方で適切な領域において、自分自身に挑戦する必要があります。

このことについて、去年とても良い2冊の本を読みました。1冊は、“Talent Is Overrated” by Geoff Colvin、もう一冊は、“The Talent Code” by Daniel Coyle です。このような内容に興味のある方はぜひお読みください。

コルビンの本でもっとも重要な考え方のひとつは、「計画的な練習」です。練習を考えるときには、その中に適切な量の挑戦が含まれているべきです。それがあなたをより良いテニスプレーヤーにしてくれるからです。挑戦が足りなくても、多すぎても上達はしません。

適切な挑戦
快適
学習
パニック
練習時においてはほとんどのプレーヤーは「快適」な領域に留まる。

典型的な練習はこのようなものです。数分間各々のクロスコートでボールを打つ。少しだけ動きを取り入れたドリルがひとつかふたつ含まれているかもしれない。ボレー、サーブを少しだけ打ち、数ポイントゲームをする。しかし1セットではない。

この種の練習の問題点は、あなたが快適な領域に留まっているということです。ドリルの内容が問題なのではありません。やりかたが問題なのです。

まったく新しいやり方として、クロスコートでラリーをしている場合でも自分自身に挑戦することができます。一例としては、クロスコートに打ったら、毎回コートのセンターに足でタッチします。これはあなたを大きく動かし、このドリルにおいてフットワークを上達させるように挑戦が発生します。

コーチとしての私の役割は、生徒を十分に挑戦させるように、ドリルや環境を作り出すことです。あなた自身の練習においても同様の考え方で進めてください。より良いテニスプレーヤーへの大切な一歩です。


質的練習 対 量的練習

多くのテニスプレーヤーはより多く練習すれば上達できると信じています。これは一定の範囲の中では真実です。

練習でもっとも大切な要素は、密度と挑戦の量です。

1時間の練習でも、その時間の間、挑戦しているとすれば、快適な領域に留まっている3時間の練習よりも、上達します。

練習のやり方を考えてください。新しいやり方で自分自身に挑戦していていますか。それともいつも同じ密度の練習を繰り返しているだけですか。


持続

上達するためには、持続することも必要です。テニスのある領域に、変更を加えようとする時、良くなる前に、悪くなることがしばしば起こります。したがって、合理的な時間の範囲の中で、合理的な目標を定め、それに従うことは、とても重要です。

例として、フォアハンドのテクニックに取り組んでいるとすれば、すぐには上達しないものです。良い情報に基づいて、練習の計画を立てて、計画に従ってやることが重要です。


まとめ

もし、いつも変わらない密度で同じ練習を繰り返しているだけであれば、上達しなくても驚く必要はありません。

必要なのは、練習の内容を再考し、上達するために挑戦を伴う内容に、設計することです。快適な領域から飛び出す必要があります。

上達のための重要な要素のひとつが、正しい情報です。何に取り組むのか、達成するための段階的な計画を知る必要があります。

私はこのウェブサイトをそのために作りました。レベルアップするために必要な情報を、皆さんに提供するためです。


以上